台湾一周編 その11 山の怖さ

朝4時半起床。まだ誰も起きていない。みんな寝ているので、大きな音を出さないように荷物をまとめる。共有スペースで整理したのち、自転車へのっける。早朝に出発しようとしていたのか、同じ宿に泊まっていた女性サイクリスト二人も起きていたようで、同じように出発の準備をしていた。先に彼女たちが出発した。

 

 滞在の中でも4時に起きるのはこの日だけだけであった。今日は台湾一周で最も楽しみにしていた、太魯閣国家公園ヒルクライムなのである!しかし、天候がよろしくない。曇り時々雨。山の天気は変わりやすいのでまた、雨に悩まされるであろう。しかし、風景は素晴らしいと聞く。2000m級の山なので頂上に着くまで1日使ってしまうかもしれない。予備日もあるのでゆっくり行こう!

 ちょうど、飲食店も開き始めたようで一番客で注文。筆談も慣れてきた。ヒルクライムなので200元分ほど食べた。かなり腹いっぱいだ。まずは入り口を目指して、20km!はしると太魯閣が見えた。


とてつもない雰囲気をかもしだしている

 上高地の時の感覚ににている。山奥に行くときの緊張感は、平野を走るときとはまったく違う。そして、入口に到着するも、雨が降り出し始めた。このとき7時。早め出たかいがあった。

 しかし、雨が降っていても大丈夫な場所がある。それは洞窟・トンネルの中!太魯閣国家公園は下の写真の様な、岩のトンネルが有名だ。

そして、壁は切り立っている

岩山を切り開き、堀り、そして崖に道路があるので、、

 このような看板がある。漢字で何となくわかるかもしれないが、「落石の危険あり!素早く通過!」という意味である。ヒルクライムでは、低速になってしまう自転車には酷な看板である。落石に危険が高い場所では、ヘルメットが無料で貸し出されている。今回は自転車ヘルメがあるので大丈夫…..かもしれない….。

(私が2017年3月に登ったときは大丈夫でした。しかし、同年9月に落石事故があり、1人の日本人サイクリストが亡くなる痛ましい事故が発生しました。ご冥福をお祈りいたします。皆さんも登るときには細心の注意を払ってください!)

 

 ガンガン登っていく。あめは一時的にも止んだ。洞窟の中を進む。観光客もおおく、加油を頂いた。まだこの辺は坂が緩いのでスイスイと進める。上って2時間、9時ごろになる。雨は降ったり止んだりしている。

このようにくり抜いた道路

洞窟で分岐。どっちを選んでも同じだが(笑)

この橋を越えると、ガチルートになる。

岩肌がすごい!雨雲がいい感じに神秘感を出している。

この形は川に浸食されたんのだろうか?

 しばらくすると、休憩するための店があった。食べ物、ココアを飲む。やっぱり雨のせいで少し寒い。高い場所の温度はどうなっているのだろうか。。10時になるがまだ3割ほど。本当に登頂できるのか?

休憩所にあった像。

 

 ヒルクライムを開始する。トンネルを越えていく。トンネルは本来は怖いものだが、雨の日は逆にありがたい。風もあり、乾燥しているので水が飛んでくれる。しかし、上っていくとトンネルや、洞窟はなくなっていく。雨も次第に強くなる。防水は大丈夫だが、気温は寒くなっているので、防寒の方が心配だ..今日も整備するか…と思ったとき!はっと思い出した!!「自動チェーン洗い機を宿に忘れたぁぁぁぁぁ!」

 

いまさら洗い機のために下るのも嫌だ….しかたない。台湾で失くしたものに速乾タオルとは別に新しく、洗い機が加わった!残念….

 

不幸もあったが、いいこともあった。途中に休憩所があったので、休んでビスケットをつまんでいると、台湾のファミリーが話しかけてきた。中国語が出来ないので、しかたなく英語で対応した。向こうも英語が分かっていたので、すこしスムーズにコミュニケーション出来た。頂上から車で来たらしいが、なんと頂上は雪が降っているという。。。ファミリーはコーヒーと煮卵をくれた。腹具膨れて、気力が出てきた!

 

雨の中、上っていく。そして

1000m通過!

 雲の中に覆われる。1000mを越えた時は13時。登頂できない可能性がでてきた。雨がまた本降りになる。道路脇には小川ができている。崖の上からは水が滴っている。そして気温も低く、地上で20度だったのが、10度ぐらいまで下がっていた。。

 

 さらに、悲劇がおそう。家があり、その家の前に階段があったので、一旦そこで休憩使用としたときに犬がいたのだ。鎖に繋がれてなく、やば!と思い発進したら追いかけてきた!!!坂道なのでスピードが出ない!しかし、必死になりなんとかペダルをまわす。犬はそんなに凶暴で無く、すこし吠えられるだけで、しつこく追いかけては来なかった。しかし、こわかった…

 

イヌに追いかけられ、雨は強くなり、疲労はたまり、靴は濡れ、気温がさがる。そして

ようやく1500m。頂上までまだ31kmもある。立ち止まっていると、なんとサイクリストが下りてきた!アメリカ人らしく、ロードで頂上から下りてきたのか?彼から話を聞くと、「 頂上の温度は氷点下に近い。雪が降っていて、一部の道路は閉鎖されているぞ。」私が「Is the road to Yilan able to pass?(宜蘭への道は通れる?)」というと,「宜蘭方面は大丈夫」といわれた。Thank youと伝え、「I will go top」と言い、別れた。別れ際に彼は「Good luck! Enjoy frozen cold!!」といわれた。「凍てつく寒さを楽しめ!」か…..

 

しかし、エンジョイはできなかった。余りにも寒すぎた。そして、寒すぎて意識が朦朧とする感じがして、さすがに危険と思った。このときの時刻は15時。1000m地点では13時。500mを上るのに2時間。1時間で250mしか登れてないとなると、頂上の2500mまでは単純計算でも6時間。すると21時に着くことになる。泊まれる場所は決まっておらず、体は濡れているし、なによりこの気温。頂上で夜になれば常に氷点下だろう….下手すれば低体温症を引き起こして、死ぬかもしれない。ここは現実的に、下山がベストである。いままで引き返した道は無かった。初めての撤退、敗北である。悔しさはあったが、撤退は正しい判断だと思った。また、晴れた日にリベンジするとしよう。

 

向きを変えて、下り坂に面した。下り坂は楽だが、今日は下り坂はむしろ恐ろしい物だった。まずは雨で路面がぬれていること、そしてリムが汚れ、ブレーキシューがすり減っていたのであった。下りでブレーキをかけてみたが、やはりブレーキが利きづらい!まずいな!後輪側はなんとかなるテンションだが、前輪側がほとんど聞かない。連日の雨ですり減っていたのか…斜度も大きいのでスピードが出る。早く下りたかったが、スピードが出すぎるので、ゆっくり目に、ジグザグと距離を取りながらくだった。速度が出すぎるとさらに、寒い。一刻も早く下山したかった。。

 

 減速を心掛けたが、やはりスピードは出てしまう。ある場所では、道路に陥没があり、思いっ切り振られた。落車するとおもったが、運よく態勢を保てた。さらにパンクもしなかった。ラッキーである!

もうろうと、どうにか山中の集落:天祥に到着。観光ステーションとセブンイレブン、教会、飲食店がある。この街に着いたのは16時ごろであり、飲食店はしまっていた。しかし、とにかく暖かい物が欲しかった。セブンに行く。とりあえずカレーをかった。レンジで手を向け、温めお願いした。カレーを食べたが、寒さが上回り、あまり温まらない。しかし、ようやく生き返った気がした。よくみると、上であったアメリカ人サイクリストもセブンにいた(笑)

彼はシューを交換していた。少し話した後、どこに行くか聞こうとしたが、彼はさらに下山していった。たぶん花蓮の町まで戻るのであろう。そして問題は今日の宿。花蓮まで行けば宿はあるだろう。しかし体の震えが止まらず、シューもすり減り、日も傾き始めていた。正直、下りたくなかった。宿に悩んでいると、あることを思い出した。「地球の歩き方」にこの天祥の町にの教会の天祥天主堂は、宿泊施設にもなっていると書いてあったことを!尋ねてみると、うーんうーん….誰もいないな。誰に話しかければいいんだ!オーナーを探していると、台湾ファミリーに出会った。一人だけ日本語が少しだけ喋れる人がいた。そしてオーナーを連れて来てくれた!無事、手続きを終えてドミトリーに移動する。教会の一室をドミトリーにしている。ベットが幾つか並んでいるが、ベットとロープ、ハンガー、扇風機しかない殺風景な部屋だった。

 

濡れたものをから着替えただけでも、結構マシになった。夕食もセブンでいいかと思っていたら、キャンプに来ていたさっきのファミリーが、一緒にバーベキューをしようと誘ってくれた!野菜や肉をやいていると、この教会にいる猫がたくさん寄ってきた。


これから焼く生肉を食べようとするので、シッシッと追い返したりしていた。しかし、猫がいるとは幸せだ。どんどん食べてと言われ、すこしずつ食べる。大きな肉も焼け、みんなで食べる。簡単な言葉で会話したり、グーグルを使ったりとコミュニケーションを取れた。猫にもちょっと与えたりした。膝まで懐っこく登ってくるのが、また可愛い。

 

 台南の時も一緒にサイクリストとご飯を食べた。やっぱり他の人と一緒に食べるご飯は美味しい。寒さも引いてきて、結構マシになってきた。自転車の整備をしながら、ファミリー達は寝室へ向かった。「謝謝」としか伝えられなかったが、心は通えた気がした。チェーン洗い機を失くしてしまったので、洗剤をウエスに染み込ませて、拭く。水拭き、乾拭きそしてオイルをぬった。シューの予備も持ってきていたので、交換。ワイヤーのテンションを調整して、最後にフレームを拭く。今日の雨でドロドロになった自転車はまた綺麗になった。しかし、洗い機がないとちょっとめんどくさいなぁ。。。

 

 今日は散々な日だった。だけど、豪快な岩肌、やさしいファミリーに出会えたのは嬉しかった。明日も雨の予報なので、登ることはできない。仕方ないので麓までおりて、サイクルトレインで移動することにしよう。

次→その12

いちいいちい

About

自転車旅が大好きな学生です。日本の色々なところや、海外にも自転車旅しに行ったりします。そこでの出来事、風景、ノウハウを紹介したいと思います。2019年には世界一周しに行きます!

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